バドバドサーカス

クーパー(ジャーマン・ショートヘアード・ポインター)、メルちゃん(ボクサー)、まめちゃん(バドが拾った黒猫)と暮らす、犬ライターが綴る犬馬鹿生活。

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アニマル・ウェルフェア

友人のブログに紹介されていた奈良の獣医さんのブログを遡って、読んだ。

福島の、牛・豚・鶏、いわゆる畜産動物の現状と、彼らのアニマル・ウェルフェアを守るために必死に闘っている獣医さんや議員、地元行政の奮闘ぶりが身に染みてわかる。
ちなみにアニマル・ウェルネスとは。「動物福祉」と訳されるが厳密には違うらしい。わかりやすくまとまっているのが、こちら。詳しくは前述のボダイ・ブログのK子さんが書いたこちら)。

本当に、現場は戦場だ。
累々と横たわる、牛や豚の死体たち。
これが、先進国・日本の現実。
「人命優先」のために、現地に入ることを許さない原子力安全保安院。調査に入ることも許さないほど、危険な状態ということなら、なぜ「このレベルでは人体に影響がない」といつも言い切るのか、不思議だ。彼らが守りたいのは、本当に国民の幸せなのか、それとも自分たちのメンツや保身なのか、疑う。

まぁ、原発に対する意見は昨日書いたので、今日はアニマル・ウェルフェアの話しを。
だけど、本当にもう、現実を知るだけで、私ったらすっかり消耗してしまった。無力感に襲われ、私の心のバッテリーが充電切れ。
関心のある方はぜひ奈良の獣医さんの克明な記録をお読みください。こうした獣医さん(&おそらく彼と共同で活動されたであろうドイツのK子さんも)、このように志しの高い人たちがいてくれることだけでも、私たちの希望なのではないか、と思う。いま、私たちにできることは何なのか、まだ手探り状態だけど……でもやっぱり国民ひとりひとりの声をあげて、世論を動かしていくってことしかないのだと思う。私も微力ながら書いていきたい。

牛も豚も鶏も、私たちは彼らを食べて、生かしてもらってる。
「どうせ殺して食べているじゃないか」。たしかにそうだけど、「無駄に殺生する」「苦しみを与えたり、尊厳を奪う」のと、「ありがたく命を頂戴する」のは、違うと思う。

それに、畜産業の人たちのことを、「どうせ命を売買して、生活の糧にしているのではないか」と思う人もいるかもしれないけど、本当にそうなのだろうか。むしろ、私は、家畜と人間家族は、運命共同体であり、ある意味生活の大事なパートナー的存在で、ちゃんと尊厳と慈しみを持って世話をしていると思う。餓死していく自分の牛たちを見るのは、辛いに決まっているじゃないか。

やっぱり原発が与えた影響は甚大すぎる。地震だけだったら、汚染されることもないから家畜の移動だってできただろうし、そもそも立ち入り禁止区域なんて生じなかったはずだ。そしたら、きっと牧場主は、家畜の世話をしにたびたび帰宅できたろう。

本当に。もう。悲しい。


そして、もうひとつ。畜産動物以外の記事もあった。
これを読んで地元自治体にクレーム電話が殺到したそうなので、そういうことは獣医さんにも迷惑がかかるので、やめていただきたいのだが、やはりここで紹介させてほしい。
16歳のリキちゃんの末路についての記事だ。

バドと同じ16歳。
16歳という年月は、とても長い。一緒に16年もいたのに。
老犬だからよけいに大事にしてあげたい飼い主さんの気持ちは痛いほどわかる。なのに、こんな結果に。
やっぱりぐわーっと涙があふれずにはいられませんでした。

ああ、もう。ほんとに。なんてことなんだ。


でも、まだ生きている犬がいるのなら、あるいは野良になってしまっている首輪をしている犬たちがいるのなら、どうかその子たちには希望を与えてほしい。
そのためにはまず地元行政と獣医さんなどがタッグを組み、彼らを生きたままつかまえて、元の飼い主さんを探したり、レスキュー施設を用意したり、ペットと一緒に住める仮設住宅を増やしてほしい。
それが実現できるよう、私たちは、署名をしたり、獣医師会のボランティア先生方の活動資金になるよう募金したり、何かできることがちょっとはあるはずだ。

頑張ろう。負けたままにはなっちゃだめだ。希望を捨ててはいけないぞ。

9メルの真顔

最後のもうひとつ。
私も今まで噂でしか知らなかったのですが、どうやら本当に、動物愛護のボランティアを名乗る人間が、純血種だけを被災地から連れ去り、そう、保護ではなく誘拐をしているそうです。これまたなんということなのでしょう。
交配させて子犬を売るつもりなのか(避妊手術している子は何度もトライさせられたあげく捨てられるのか!?)、転売するつもりなのか(成犬って売れるの?)、非人道的な輩の考えることは私にはわかんないけど(それで儲かるとも思えないんだけど)、本当に許せない。
いまは、日本犬雑種ばかりが、残っているそうです。(ほんとにそうなの!? まだ信じられない)
4月上旬のテレビニュースでは、ゴールデンやビーグルや、それに人なつこいスタフォードシャー・テリアまでカメラマンに寄ってきてたけど……まさかそういうニュースを見て、「おっ、純血種がいるぞ」と思いついた悪人がいるんだろうか。ぐーーーーっ。そう考えると、やはりペット・オークションなど、わけのわからぬところから来る子犬を買うことは、そういう悪人に利益を与えてしまうこと。片棒をかついではいけない。消費者である私たちが、知識を持ち、今までの購買方法に疑問を持ち、購買方法を再検討する必要性を強く感じる。


あああ。明日は、明るい話題を届けたいと思います。
みなさん、連休明けのお仕事、頑張りましょう。


コメント

 

エネルギーシフトにコメントを…と思ったら…。りきちゃんの記事、胸が苦しくなりました。ペットだって飼い主にとっては愛する家族です。畜産業の方だって、生きる糧だからこそ、ペットとはまた違った思いで家畜を慈しんで飼育されるのだと思います。

この国は真に豊かなんでしょうか?今更本当に遅いのですが、原発のことも含め、他人事とは思わずにいろいろなことに関心をもって意思表示をしていかなければならないと思う今日この頃です。
  • mari 
  • URL 
  • 2011年05月09日 17時39分 
  • [編集]
  • [返信]

 

りきちゃんの記事、涙が出ました。
うちの子供にも見せたら、しばらく黙って部屋に消えていきました。
こう言うのを見るたび、自分の非力さに腹が立ちます。
石巻で私の先輩が、動物救護を立ち上げています。
こちらの方も、まだまだ大変なようです。
今は、できることを少しづつお手伝いするだけです。
地震、原発避難でなくなった子たち(馬とか牛も含めてみんな)が安らかに眠れますようにお祈りするだけです…。
  • nicoちゃんち 
  • URL 
  • 2011年05月10日 00時08分 
  • [編集]
  • [返信]

 

日本人は、動物と暮らすことについてはまだまだ勉強不足な点がたくさんありますね。

人の命でさえ何万人と失われている非常時に
動物の命を救ってる余裕があるかどうかは
その時、その状況になってみないとわかりません。
けれど、このりきちゃんの飼い主さんは、飼い主さんの方法で悲しみ、悼んでいるでしょう。
りきちゃんは、きっとそれでいいと思っていますよ。
「僕は、僕の役目を終えたからね。」と。
  • こぼずはうす 
  • URL 
  • 2011年05月10日 10時42分 
  • [編集]
  • [返信]

お久しぶりです 

りきちゃん…
涙がとまらないですね。
こういう子が沢山いるんですよね…

ペットも、家畜も、飼い主さんにとってはかけがえのない命であり、家族であり、パートナー。
胸が痛みます。

署名とか募金とかくらいしか出来ることないですが、一刻も早く、どうにか助けてあげたい気持ちはいっぱいです。


*パソコン復活~。また、ほかの記事もゆっくり読ませていただきます。
  • 陸家 
  • URL 
  • 2011年05月10日 13時59分 
  • [編集]
  • [返信]

 

りきちゃんの記事・・・実は、ツィツターのつぶやきの中から、
この記事を知りました。
最後までよんでいくと、名前は「りき」とあって、
我が家の2年前になくなった子も「リキ」だったので、
辛すぎて、胸が苦しくて。

環境大臣にメールしたり、保護団体に犬のごはんを支援しましたけれど、
現状をみるにつけ無力感でいっぱいですが、
少しでも良い方向に向かってくれることを祈るばかりです。
  • マッチータ 
  • URL 
  • 2011年05月11日 00時51分 
  • [編集]
  • [返信]

りきちゃん達の事… 



たぶんそうなのだろう、と思ってはいましたが、
実際写真で見ると、あまりの悲しさに思考停止してしまいます。

原発は本当に「命や地球を大切にして、慈しむ事」と真逆のことなのだ、と思い知らされます。

今できるとをすることは勿論、この気持ちをずーっと忘れないで、考えて行動したいと思います。

りきちゃんの死を教訓に 

♪mari様
ほんとね……辛いです。
でも、できることから、意思表示をしていく、
これが日本を変えていく原動力になる。はず。そう信じて、頑張ろう!
今度また近所でパレードあったら、ビーメル連れて参加しようぜい!


♪にこちゃんち
お兄ちゃん、そうでしたか……
私もマチュに読ませないといけないな。
辛い現実ですが、ちゃんと直視できる子になってほしい。
そしていつかは未来を変えていくひとりになってほしと思います。
石巻の先生、書けるチャンスができたら、電話します!


♪こぼずはうす様
たしかに人の命がこれだけ失われている非常時である、ということはわかっているけど、
他の国ができるアニマル・ウェルフェアの取り組みなら
少し後手になってしまったとはいえ、日本もいまからでも実行し、
また次の非常時に備えるマニュアルづくりなり、調査・研究なりに、つなげていけるといいなと思います。

でも私も、リキちゃんは飼い主さんのことも、人間のことも
怨んでないと思います。
犬って、そういうヤツです。あ、また涙でそう。

業務連絡:先ほど粉サプリ到着しました! ありがとうございます。
これでナックリングが改善すると嬉しいなぁ。そしたらミラクルだわ。


♪陸家
ほんと、もし、これがバドだったら……
さっき、こぼずさんへのコメントでは冷静を保っておりますが(笑)、
もしバドだったら、私、もうダメかも。
かなり廃人になっちゃうかもしれません。それくらい甚大な悲しみです。
リキちゃんの飼い主一家のお気持ちを思うと……。それもまた涙でる。

業務連絡:パソコン復活、おめでとう。楽しみにしてます。


♪マッチータさん
ああああ、同じお名前でしたか……
それはもうよけいに重なり、辛いですね。

でもいろいろアクションを起こされているご様子。
頼もしいです!
小さなことでも、少しずつでも、行動をしていくことが大事。
1滴の水滴が、大きな岩をいつか削っていくんだもんね!
みんなで負けずに頑張りましょう。


♪ブルースママ様
そうですね、私も思考停止しました。同じ気持ちです。
そして原発は、効率がいいとかなんとかって論理もわかるけど、
長い目で見て、非常時に人間の手に負えなくなり制御不能になる可能性があるモンスターは、
やっぱり使っちゃいけないんですよね。
責任が負えないものを、「リスクはかぎりなく少ない」などという理想論で、国民を騙してはいけません。実際、いま福島県民や、隣県のとくに農家や漁業関係者や、そして関東一円の利根川水系の水に頼る住民に対して、「やっぱり自分たちが責任を負うのは無理です」と逃げるなんて、ほんと人間って愚か。

いけない、いけない、ブルースママへのコメントにまでまた怒りを書いちゃって。ごめんなさい。
でも、そう、この気持ちを一過性で終わらせることなく(東電はそう願っているでしょうが)
私たちがずっと持ち続けること、それが絶対大事ですよね。


  • ばど吉 
  • URL 
  • 2011年05月12日 18時10分 
  • [編集]
  • [返信]

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白石バドバドかえ

Author:白石バドバドかえ
犬歴31年、猫歴29年(2017年元旦現在)の雑文家。犬2頭、猫1匹がごろごろ爆睡しているとなりで、日々、犬原稿を執筆中。
《(c)kae Shiraishi/当ブログの文章や画像の無断転載は禁止です》お問い合わせは下のメールフォームからご連絡ください。

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1号表紙

TERRA CANINA Magazine
(テラカニーナ編集室)
http://terracanina-magazine.net

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『うちの犬♥  あるいはあなたが犬との新生活で 幸せになるか不幸になるかが分かる本』
白石花絵著
(イーステージ出版発行)

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表紙

『東京犬散歩ガイド 武蔵野編』
白石花絵著
(オーシャンライフ発行)

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『東京犬散歩ガイド』
白石花絵著
(オーシャンライフ発行)

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『最新犬種図鑑』 
監修:ジャパンケネルクラブ
構成・文:白石花絵
(インターズー発行)

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