ペット税を導入するのなら
松葉杖取材(東大キャンパス内を歩くだけでハアハアと消耗)と、愛と無茶の結晶のバド爺松葉杖散歩のおかげかもしれない。松葉杖歩きでは、当然右足しか使わず、左足は完全に浮かせている状態なんだけど、右足を使った運動をするだけでも、「足は第2の心臓」と言われるポンプ作用、つまり血液を心臓に戻す働きが左足にも多少は連動して効果が上がるんだって。左足を地面につけていなくても、右足で歩けば、左足にも力が入るそうな。つまり、松葉杖運動をすれば、左足の筋肉は使っていなくても、血流効果が上がるということ。だから腫れやむくみが軽減される。
いま私は術後1か月経過したというのに、まだ脛の内側のキズが塞がってない。昨日、新しい細胞を表面にだすために、でかい耳かきのような金属の道具(幅8ミリほど)で、縫い目の間の塞がってない肉をほじほじとスクープされた。トールさんが目を背けるほど痛々しい場面で、肉組織も血もでてくるが不思議なことに痛くない。ちゅーか感覚がない(!)。ほじくられても痛くないのは助かるといえば助かるけど、でも、本来痛いはずのものが痛くないってのも怖いもんです。痛覚、感覚がまだ戻ってないみたい。大丈夫か、私の左足!
とにかくキズが早くくっつくためには血流をアップすることが最重要らしい。私、すごい冷え症だからなー、これが問題。でも感染の心配があるから湯船に足はつけられないしさ。今夜、バドに買った赤外線治療器を足の裏に当ててみる。それと松葉杖運動で、全身の血流をアップしてやろうと思っている。松葉杖は非常にくたびれる全身運動(とくに肩や腕、右足、右のお尻あたり)だけど、頑張るぞ。
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さて、仕事をしようと思ったら、時事ネタを2つ見つけた。
ひとつめは民主党の「ペット課税検討」の話し。みんなにも考えてもらいたいのでコピペします。
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ペットに課税、飼育放棄防ぐ!?民主チーム検討
読売新聞 11月26日(金)23時31分配信
民主党税制改正プロジェクトチームは26日、2011年度税制改正に向けた政府への提言案で、犬や猫などペットへの課税を検討課題とすることを求めた。
ペットの無責任な飼育放棄などが、行政による処分費用の負担など「負の連鎖」につながっているとして、「地方自治体による登録制を導入して課金も行うことなども含め検討を提言する」とした。
課税を通じてペットの適切な飼育を促し、税収を処分費用に充てることを想定している。民主党関係者は26日、「ペットは家族の一員という人が増えている」と述べ、課税には一定の理解が得られるとの考えを示した。ただ、ペットへの課税は今年度の税制改正論議で検討課題に上っておらず、11年度税制改正で実現するかどうかは不透明だ。
過去には自民党も、動物を飼ってもすぐ捨ててしまう飼い主を減らすため「ペット税」導入を検討したことがある。
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うむ、民主党には愛犬家も多いそうだし、正しく使われるのならペットに課税するのも悪くはない。ヨーロッパでも「犬税」は導入されている国が多い。
でもこの短い記事を読むだけでもすぐに指摘できることが2つ。
(1)「行政による処分費用に充てるため」に課税する。
これには反対。
なんで真面目な飼い主が、殺処分の費用を払わなくちゃいけないんだ!? なんで真面目な飼い主が、不真面目の飼い主の尻ぬぐいをしなくちゃいけないんだ? 自分の犬を守るために、飼い主はたくさんの費用と時間を捻出しておるというのに。
行政による終身保護を前提としたレスキュー施設の運営資金や、飼育放棄しないための法整備、啓発活動、あるいは取締活動資金など、ドイツやオーストリア、スウェーデンなどと同レベルの正しい動物福祉行政のための資金に充てるためじゃなくちゃ、そんな税金、払いたくないぞ。
裏を返せば、役人が適当に「ペット飼っている人が多いから、ここから税金をとっちゃえ」という発想ではなく、本当に動物福祉をわかった人が立案・立法するのなら、ペット税に賛成する飼い主はいると思うよ。
(2)「地方自治体による登録制を導入して課金も行う」
ザル法すぎる。実現不可能だとわかってないのか?
今回検討されているのは、犬と猫両方というが……、現在も法的義務である犬の「畜犬登録」(地方自治体による登録制ですよ、今でも)をしていない飼い主がかなり多く存在するのに何十年もほったらかしにしているというか、管理できていない状態なのに、そこで課金を行うってのは、これまた正直で真面目な飼い主だけが課税され、無登録の飼い主は税金を逃れられるということですよね。平等じゃない。
だったら、ますます登録しない飼い主が増えるに決まってるじゃん。
何十頭も飼育してる悪徳ブリーダーなんて登録しているわけないじゃん。でもそういう人たちがけっこうかなりの数の犬を行政に持ち込んでいるじゃん。彼らはそもそも営利目的で活動しているのに、一般飼い主と同じ扱いってのもおかしいでしょう。いまはパソコンなどの家電製品を捨てるのもけっこうお金かかるのにさ。
ものすごいザル法である(腐っても元法学部、怒ってしまう)。
さらにいえば、猫の住民票をつくることは今までだって方策がなかったのに、ほんとに現実的に、平等に、猫登録を管理できる策はあるのかね?
とりあえず「徴収できる人からだけでも、税金もらえればいいや」という考えはやめていただきたい。
しっかりシステムを作り、平等に課税してもらいたい。
そうじゃなければ、反対。
だいたい課税の決定だけ政府が法律を定めて、あとの運用(徴収・登録方法のシステム含む)は地方自治体に丸投げされても、地方の行政の人は困っちゃうとも思うよ。
自動車税とかさ、バイク税とかと同じように、必ず徴収されるようにしないと、内緒で犬や猫を飼う人が増えるだけで、そういう人は不真面目な人なのでそれこそマナーが悪く、犬のトレーニングなどもしていないし、捨てる予備軍の人でもあると予測できる。つまりよろしくない飼い主を世に増やす土壌をつくる要因になる。よろしくない飼い主が増えるということは真面目な飼い主が住みづらい世論ができるということ。そこまで考えて、課税チームは検討していただきたい。
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もっとさー、諸外国の犬先進国の課税制度や動物福祉制度をよく研究して、本当にためになる税金の使い方、平等な集め方を考えてほしいよね。
その点、私が最近注目しているのが横浜市の動き。
来年春に、ドイツのようなティアハイム(殺処分施設ではなく、新しい飼い主を探すための施設)を目指したものを開設する。すごいね。頑張ってるね。誰か志の高い役人の方がいるんだろうね。開設したら取材に行くぞー(そのときには足も治っておろう)。
その横浜市の記事も今日配信されてました。ふたつめとしてご紹介しましょう。
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ペットの安全確保へ終身飼育を促進、横浜市が動物愛護条例を一部改正
カナロコ 11月27日(土)13時30分配信
イヌやネコなどペットの「安心、安全」確保へ向け、横浜市は市動物愛護条例を一部改正し、ペットが天寿を全うするまでの終生飼育の一層の推進や所有者明示など飼い主の責務について新たな規定を設けることを決めた。安易な飼育の途中放棄を抑制するため、引き取り手数料は倍にする。26日開会した市会第4回定例会に条例の一部改正案を提出した。
改正案では、動物の終生飼育が困難な場合、新たな飼い主に譲渡するよう努めることを規定。併せて飼い主の都合による行政への引き取り依頼を抑制するため、引き取り手数料(上限額規定)を2千円から4千円に引き上げる。
一方で市は、終生飼育など動物愛護の普及促進の新たな拠点として動物愛護センターを来年5月、神奈川区内に開設。引き取った傷病や高齢のイヌやネコの治療や飼育を行い、可能な限り譲渡を推進する。
センター開所後、譲渡に当たっての不妊、去勢手術の手数料を5千円から3千円に引き下げ、マイクロチップの装着は医薬材料実費分(1500円)のみとする。
改正案はこのほか、首輪、名札、マイクロチップなどによる所有者の明示や、災害時に備えたイヌやネコのための準備、災害時に必要な措置の実施を定める。また、ネコは原則として屋内で飼うこととし、飼い主が不明なネコに餌をやるなど、飼い主と同一視される場合には、周辺環境に配慮し排せつ物の処理を行うよう努めることなどの規定を盛り込んだ。
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引き取り手数料4000円でも安すぎると思うけど、高額だと山や河川敷に捨てちゃう人もでるから、痛し痒しなんだよね。
犬猫を手放すときのルールの強化だけでなく、犬猫を手に入れるときのハードルの高さを強化していくことを今後私たちは訴えていくべきだとも思う。だけど、なんでも一度には変えられない。できることから変えていく。横浜市の活動には今後も注目したいし、ほかの地方自治体も関心を持ってくれたらいいなぁと思う。
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ああ、原稿を書くのは楽しい。
(入院中の反動か。笑)
ああ、早く特集書かなくちゃ(汗)。

(↑ 私の退院日のメル。いまも毎日こんな感じで強引にお膝に乗ってくる。小型犬じゃないというのに、どーも自己認識を誤っているようだ。本日メル体重計測、15キロだったそうです)