陣馬形山キャンプ(4)

メルちゃんはいつもどおりの爽やかなお顔
晴れてきたよ! トールも起床!
(この人もきっとクパのこと心配で安眠はできていなかったとは思うが……しかし……私よりははるかに寝ていた。ま、トールもメルも、そういうタイプよ。無駄に動じない。動かない。どーなんだ、それっ!?とは思うけど、ま、人間、適材適所ですよね)

陣馬山形キャンプ場、素敵な場所でしょーーー♪ ハイジみたいなおうちの赤い屋根が緊急避難小屋です。その左の茶色っぽい屋根がぽっちゃん式トイレ。右下の灰色っぽい屋根が水場です

クパちゃん、晴れたねー! でもしっぽ丸まってるねー(涙)

雲が晴れて、下界が見えてきた! うーーーん、素敵。
ここ「天空キャンプ場」って異名があるみたいよ。素敵ねー。
クパの腫れのピークも過ぎてきた予感。いちばんひどかったのは、深夜の3時頃だったのではないか。つまり咬まれて7時間前後。最もヤバイ峠も越え、これなら動物病院に駆け込む必要もないかなと、余裕がでてきた私。

ふたたび山頂に行くと(今度はトールも一緒)、メルは石っころでしばらくひとりでサッカーしてた。
あんたはいつもマイペースで平和でいいね〜。犬も個性がいろいろですわ。

ああ、しかし痛々しいクパちん。よだれもダル〜〜〜〜となる。唇の構造が変わったからでしょう。マスチフやブラッドハウンドは、唇が外にべろっとなっているのでヨダレがでるんだと思います。
首もたふたふに。ああ、なんかに似ていると思ったら、まめちゃんの太鼓腹に似てる(苦笑)。「キャットエプロン」と呼ばれるやつね。トールは「牛に似てる」という。そう、牛の首もこんな風にたるたるしてるよね。
ま、こんなことを言って笑えるくらいにはなってきた。昨夜の「生きた心地がしなかった」状態からかなり明るくなった。

クパちゃん、ほんと災難でしたな

さ、テントたたんで下界に下りよう。また曇ってきたよ。
山頂近くの道路を工事しているおじさんたちがトイレに来たとたん警戒咆哮したから、捕獲。すでにメルにとってここは自分ちのテリトリーだと思っているから、ある意味厄介。だけど、番犬としては最高。ただし夜間は勤務外になってたけどね。遊びすぎですよ、メルちゃん。

クパ、大変だったねー。よしよし
みんながクパを気遣うので、メルが「あたちも−」と邪魔をする(笑)。
アクシデントはあったけど、素敵なキャンプだった。
これに懲りずに、またリベンジに来ようぜ!

陣馬形山にある風三郎神社に帰りがけにお詣り。「クパが早く元気になりますように」
山をおりる途中の集落で、郵便局の軽自動車発見し、窓から手を挙げて止まってもらった。郵便局の人は、住所などの情報詳しいかなと思って。おじさんに「この村に動物病院はありますか? 昨夜、犬がヘビに咬まれたんです」と聞いてみた。そしたらね「この村にはないんだーー。隣の隣の駒ヶ根市に行けば、ひとつあるよ」と教えてもらった。道順まで親切に教えてくださった。ありがとうございます。
下界に来ると携帯もつながったので、その病院を検索。しかーーし! なんと火曜日は定休だというじゃないか。ガーーーーン!!
もうしょうがない。道中、病院がたまたまあったら入るしかない。高速道路に入るのはやめて、諏訪方面まで下道を行くことにした。

天竜川沿いの市道を行く。あら、素敵な景色♪

昔の吊り橋の土台? 廃墟になってる。なんだかジブリな感じ。
しかし、動物病院はない。そもそもコンビニも店もない。涙。みなさん、どこでお買い物しているのかしら−。
おお、フォッサマグナ上の国道があるぞ。そこを通ってみたい!
と、急遽、山道を行く。
途中、ドイツの獣医の友達からもメール連絡がきた。心配してくれてる。ううう(涙)。だけど、病院は見つからない。とにかく帰る方向に進むしかない。
しかし!

ひどい、国道のくせに中沢峠を左折できないなんて。静岡まで行くしかないなんて、ウソでしょー! 通行止めならもっと早めに看板だしてよ! 憤慨。くねくね峠道を頑張って走ってきたのに−。
おや、どうもすぐそこに有名なパワースポットがあるらしい。分杭峠。なんか聞いたことあるぞ。磁場ゼロとかなんとかって。何がどうすごいのか知らないけど、すぐそこだから一応行ってみる?
でも、結局なんだかよくわからないし、駐車場もないので、スルー。Uターン。静岡まで行くわけにはいかないでしょう。また同じ峠道を40分ほど戻る。やり直し。
伊那市内で道沿いの農家が、スイカの直売してた。寄り道。(お土産を買うとこもないから、スイカを買って帰ろう!)

素晴らしくでかいスイカたち。「スイカの名産地〜♪」って歌があったな

でっかいスイカ、2000円でゲット。すごく甘くておいしかったです。こんな美味しいスイカは初めてかも
次に「火山野菜直売所」発見。火山(かざん)ではなくて、「ひのやま」と読むそうです。あ、火山峠ってとこが地図にある。ここでトウモロコシや白いナスやピーマンなどをたくさん買いました。長野のお野菜、ほんと美味しかった。都会のスーパーの野菜を買いたくなくなっちゃうなー、ほんと。毎週買い出しに行きたいよぉ。
最後に杖突峠の無料展望台。(なんとここにてカメラの電池が切れる)

クパは普通にしている。クルマの中で爆睡。安心するらしいねー。
この峠を下りたら、茅野市や諏訪南IC。都会だ。動物病院あるかな。
しかし、見当たらない。ううーーーん、どうしたもんか。ここで高速に乗って、都内に着いても19時までに動物病院間に合うかしら。判断に迷う。友達(クパの同胎のママ。人間の看護婦だし。笑)に電話もしてみる。やはり長野でヘビ情報のある先生に診てもらった方がいいんじゃない?と言ってるうちに、あああ、もう高速のインターチェンジが見えてきた! マチュももう東京に向けて電車に乗っている。我々は代々木に戻っておかねばならぬっ!
結局、諏訪南から高速に乗った。
そうこうしてたら友達の獣医さんからコールバックが入る。いろいろ教えてもらう。ふぅ。
とにかくやっぱり先生には診せた方がよいというアドバイス。了解です!
またトールに運転を代わってもらって、携帯電話で必死に情報収集。ふむふむ、マムシは標高の高い山にもいるらしいな。いったい、誰に咬まれたのやら。でもマムシもヤマカガシもいずれにせよ出血毒か。やはり血が凝固しないらしい。まだクパの傷からはツーツーと血がしたたり落ちている(これは1週間続きました。せっかくやっとかさぶたができたと思ったのに、小さなショックですぐ流れてくる。ちくしょー、やな毒だぜ)。マムシに咬まれたミニチュア・ダックスさんのひどい臨床例もあった。小型犬なのにあんなに腫れて可哀想に。
幸い、渋滞もなく、18:20に高速をおりる。そこから自宅まで10分。マチュが千駄ヶ谷駅に着くのは19:09。
荷物をダッシュでおろし、トールとメルもおろして、ホームドクターのとこへクルマで移動。トールは一緒に病院に行きたい気持ちだったけど、メルまで病院に入ることになって迷惑だから、あなたはパパと留守番してなさい!(結局、この間にメルちゃんはシャンプーされた)
病院に行く。18:40。体重測定、検温、心臓音のチェック。私は必死に昨夜の状態を説明。
しかし。
クパの傷口も診ず(消毒もせず)、浮腫にも触らず、診察終了ーーーー。えーーーーーっ。もうマジですか。
「一応、抗生物質いる?」
「いりますっ!」(せっかくここまで来たんだもん、せめて化膿しないように抗生物質はもらって帰らねば!)
やっぱり、想像通り、都会の先生は、毒ヘビに関する臨床は乏しいという感想です。残念。
でもね、ま、「犬はヘビに咬まれても死なないから」(ほんとですかっ)
まー、それを聞いて、安心はしたし。
(アナフィラキシーがあったら死ぬかもしれないと思うよ。腎障害も起きる例もあるらしいぞっ)
「浮腫がどんどん下がって、心臓に毒がまわったりしませんかっ」
「重力で下がってくるだけだから、もうこのへんでとまりますよ」(ほんとですかっ。疑心暗鬼)
「浮腫のこのぶにゅぶにゅの中味はなんですか?」
「血液か、体液でしょう」
「体液って、リンパ液とかですか?」
「そーですね」(うーーーん、ほんと? 今度詳しい先生に聞いてみたい)
「個体差や毒の量もあるでしょうが、通常この浮腫はどれくらいで引くものですか?」
「ああ、2週間くらい残る子もいるようです」(そういう大事なことはちゃんと教えてよっ。心配になるじゃん!)
とまー、やりとりをしつつ、ま、すでにクパは最も危機的な状態の峠を越えているのは自分にもわかっていたので、それくらいにして帰りました。18:55に終了。
さ、このまま千駄ヶ谷駅に迎えに行くわよ!
19:10に千駄ヶ谷駅到着。
ちょうどマチュが改札から出てきた!
ナイスな時間。すべて結果オーライっ!!
とまぁ、こんな綱渡りの2日間だったのでした。
-------------------------------------
そしてクパは、現在なお(咬傷後11日目)、まだちょっぴり右のマズルは厚ぼったいけれど、首もまだ皮がタルタルしてるけど、浮腫はもうなくなったみたい。
咬まれた2日間ほどは少し元気なくて(いずれにせよキャンプの遊び疲れもありましょう)、でも食欲はいつもどおりある。散歩も行く。ウンチもいい。抗生物質5日間飲んだので、いつもよりオシッコの色は濃いが、血尿はなし。
3日も経てば、腫れた口も開けられるようになったらしい、いつもどおりガーフィールドを持ってきてくれるようになった。う、嬉しい。そうか、この2,3日、足りなかったのは、これだ。カモちゃんリトリーブをしていなかったんだ! リトリーブして「朝だよ!」「おかえり!」「散歩かな!」ができるようになったらもう精神的には完全復帰と言ってよい。
毒ヘビ事件はびっくりしたけど、これもまた経験。
今度、取材に行って、毒ヘビ咬傷後の応急処置などについて書きたいな。
まったくもー、クパといれば、ネタに困らないぜっ!
心配してくれたみなさん、どうもありがとう!
クパ、完全に元気になりました!
みなさんの心配のお気持ちのおかげで回復も早かったのではないかと思います!
みんな本当にどうもありがとうーーー!
ブラッド・ハウンドから無事にいつものジャーポに戻ったクパより