秩父キャンプ(前編)
ならば2泊3日でキャンプに行けるな!
と、前々から楽しみに計画しておりました。富士山麓、朝霧高原へ行こうと心はずませて。
しかし。
こんなときに限って台風が。
しかも巨大な方がわざわざ進路をかえて、本州に突入するっていうじゃありませんか(金曜日に気がついた)。
なんちゅーことだ。
でも、それでも諦めきれない私。
マチュは土曜日午前中、「きっとキャンプは中止だ」と、ボーイスカウトの献血奉仕活動へ行ってしまう。「自分は月曜日ぐらいゆっくりしたい。塾の宿題も多いし」と、やる気のない中学2年の娘。これが「中学生にもなったら親と遊んでくれない」ってやつか。
マチュ帰宅後、家族で大喧嘩(正確には私ひとりで噴火)。「みんな、犬の散歩が日々足りないの、わかってないの!? 犬が可哀想でしょうが! なら、私はひとりでもクパメル連れてキャンプに出かける!」と豪語。
すったもんだのあげく、トールになだめられ、まぁ大きな台風も来ているのだからと、キャンプ1泊で手を打つことに。
喧嘩してたら、出発が遅くなった。もう土曜の午後3時。なんだよーー! 1泊1日じゃんかよーっ。と、まだ怒っている母。しかも関越道練馬ICに入るまでに1時間以上もかかる。イライラ。
でも、クパとメルはとーってもワクワクした顔をして、窓の外を見ている。
だんだん怒りがおさまってくる私。
関越道入ったら、ルンルンと進む。けっこう関越道、みなさんスピードだしますなぁ。1時間くらいで花園ICに着いちゃったよ。
でもそこから下道を通って秩父までが、これまた意外と遠いですなぁ。
長瀞も見てみたいけど、暗くなる前にできればキャンプ場に着きたいから我慢した。
「道の駅ちちぶ」で、お野菜やキノコを調達。キノコ、安い! それに秩父って、お餅や生のおまんじゅう文化がある街なのね。シライシ家、さんざん悩んで、塩まんじゅうやらよもぎもちなどを買い込む。きびもちも食べたかったとあとで後悔するマチュ。

秩父って、花とまつりのまちなんだって。トールが「あ、花絵とまつりのまちかと思った」というんで記念撮影。
この頃にはすっかり私の機嫌が直っている(笑)。
しかし、山道を進むとどんどん真っ暗に。
最近、5時半にはもう暗いんだね〜〜〜。
この道であっているかね〜〜〜。民家もなくなってしまったね〜〜と言いながら、母はひたすら峠道ドライブを堪能(えへへ。かなり楽しいワインディングでしたよ)。
6 :20pm頃、夜のキャンプ場に到着。
急な大雨になると困るので、犬とバンガロー泊できるところを急遽探して見つけたのが、この「中津川村キャンプ場」。素敵そうな源泉の温泉と「ペット 可」のこの言葉を頼りに電話してみる。
うちは、強烈なクパメル同伴なので、一般の「わんちゃん」たちが泊まってて小型犬で賑わっているようなキャンプ場には行けない(迷惑をかけてしまうので)。しかし、ペット不可のキャンプ場にも行けない。ものすごくピンポイントのニーズのおうちなので、キャンプ場探しは非常に難しい。
でも、その分、私とクパのニーズにあったキャンプ場を見極める能力は、バドの時代から訓練されてきた模様。
電話をすると、あっさり犬もOK。でも申し訳ないので「ケージを持って行ったら犬も中で寝ていいですか?」「いいですよー」と拍子抜けするほど温かなお返事。あとで聞くと、その女性は、ボーダーコリーの飼い主さんだった。
「でも今日は、台風でキャンセルがでたので、もうお風呂は沸かしませんけど、それでもいいですか?」
あら〜、温泉はなしかぁ。残念。でもそれでもいい、犬をバンガロー内に泊めてもらえるなら。
「じゃ、着いたら、電話ください。家から5分くらいなので行きます」と、おばさんは言う。
このゆる〜い感じがなんともいい。
てなわけで到着。
冬場だったら絶対無理そうな急斜面の坂道をおりて、河原にクルマを泊める。
そこからは吊り橋を通って、川向こうのキャンプ場に行くの。なんだか楽しい。
さー、とにかく食べるぞ。

キノコの美味しい季節です〜
トールはシイタケ食べられないけど、私とマチュはばくばく食べまくる。
お肉は、東京から持参した。

七厘も持って行ったけど、バンガローのすぐとなりに炊事場(しかも幸いなことにほかのお客様がいないから、貸し切り状態!)だから、ここでまず炭おこししたり、お鍋はこっちのかまどを使ったりと、いつになく効率よく順調に炊事ができた。
そうそう、あと、このキャンプ場で特筆すべきは、トイレがきれいっ!
スギのいい香り。洋式。しかも、ハンディキャッパー用まで完備。元骨折女としてはなんだか嬉しい配慮。
虫もいない清潔なトイレなので、これなら虫嫌いの女性(だけどキャンプには行きたい人)(某ビーちゃんち。あなたのことです。笑)にオススメ!
あと、ついでに言うと、川は、淵もなく、子どもでも溺れる危険性がほぼないといってよい環境。
だから子供会の利用とかも多いんだろうね。納得。マチュも「今度、ボーイスカウトで来たいな」と言ってました。

食後に、そこらじゅうに落ちている山栗を拾って、ゆで栗にしてみました。
小粒で、そんなに甘くないけど、野生の味で美味しい。
キャンプ場に人がいないと、鹿が食べているんだって。

このでかいバッタさんは誰だっけ?
このあと、すぐそばの河原におりて、月夜のもと、ノーリードでクパメルを遊ばせた。
中秋の名月の1晩前の月。薄雲がかかっていたけど、月明かりでじゅうぶん歩ける。懐中電灯なくて平気。
写真はやめといたけど、月夜の川を大はしゃぎで走りまくるクパメル。すごーく楽しそう。
ああ、やっぱり来てよかった。
ついでに言うと、やっぱりキャンプに来ると、あれほど喧嘩していたマチュと私も、すっかり仲良しになってキノコを焼いたり、学校の話し聞いたりしてさ、親子の会話的にもいいんだよね。おうちだと、テレビや電気や雑誌や携帯があって、親となかなか対面しない。やることないと、協力して火をおこしたり、栗を拾ったり、バッタや蛾を見て驚嘆したりできる。
夜。クパは網ケージの中で、ごそごそして、案の定、寝付けなかったようだ。でもケージの中の安心感はあるらしく、以前ほど敏感に警戒吠えはしなかった。明け方に獣の鳴き声がしたときは、吠えたけど、それはしょうがないね。でもやはりほかのお客さんがいると気を遣うので、うちはなるべくひとけのない時期を狙おう。
そんでメルはいつもどおり爆睡らしく、バリケンの中で微動だにしない。1度、おならしたのみ(笑)。
朝。6時に村内放送のようなメロディーが流れる。
私はクパあやしをしていたので、ほんとはあんまり寝ていない。クパもほとんど寝てないはず。
マチュとメルはすっきりお目覚め。
トールは、床がベッドよりは硬いから安眠はしてないかな。でもこのバンガロー、柔らかいござが全面敷きだから、けっこう寝やすいと思うよ。そのかわり、犬の汚れた足だと汚しちゃうから、ケージはバンガロー扉に直結させた。

さあ、明るい河原に行ってみよう!

この吊り橋を渡って、キャンプ場に入りました。
クパは相変わらずの保護色です

最初は水に入るのを少しためらっていたけど、

全然平気なクパにーちゃん。さすがジャーポ。水陸両用。

かっこいいね、クパっち。それでこそジャーポだ。

“にーちゃん、置いていかないで〜〜”
岩ぎりぎりのところ(画面左)で、困るメル。水が嫌い(笑)

ありゃりゃー。クパは対岸に渡ってしまった。
一度対岸まで行くことを学習すると、じゃんじゃん何度も行ってしまう。
でも、呼びがきくのが幸い。

口笛を吹くと、じゃぶじゃぶと戻ってくる。意外と賢い。

メルがふてくされるといけないので、じゃ、人間と歩こう。

爆走したら、1度呼び寄せる。これの繰り返し。
でもクパも呼ばれて戻ってくるとき、すごくいい笑顔なんだな、これが。
呼び返してもらうことも、犬にとっては幸せなことなんだと思う。
つまり、犬だけが勝手に遊んでいるんじゃなくて、クパは飼い主と一緒に自然の中の散策を楽しんでいるんだ。

自然の山栗。栗拾いもマチュにとってはいい経験
でも夜中にこの栗が何度もバンガローの屋根とかに落ちてくる。最初は「何の音!?」と、私も犬もびびったもんです。それでクパメル、警戒吠えするし(笑)。24時間、いつでも栗は落ちてくる。栗爆弾、頭に落ちたら痛そうだ。

河原の横には小さい林もありました。
いろんな環境を走らせるのも、楽しいだろうし、いい刺激になる。
メルは、マチュと一緒なら川のそばにいるけど、
マチュがかまどの方にいたら、マチュのことが気になり、私の呼び声にすぐ反応しないときがある。
やはり、いちばんの親分は誰かは、犬が決めるようだ。

クパは、私の声と口笛で好きなように動く。「GO!」と言えば、前へ前へ進んでいくし、口笛を吹けば飛んで帰ってくる。見えない場所からでも、対岸からでも戻ってくる。可愛い〜〜(←親バカ)。
でも、本来、こうでなくちゃいけないと思うんですよ。これが、犬と暮らす悦びというものです。

いいね、クパの筋肉づくりにもなるね

キャンプ場の中にたくさん鎮座している山栗の大木。
神様が宿っているみたいに、大きくて立派な木。
秩父は、大木が多い。自然林が多く残っている場所もあるね。
だから、シカやサルやイノシシやクマが生きていられるんだね。いいとこだ。
帰りにキャンプ場の人のいいおばさまと立ち話。
立派なマイタケもいただく。採れたて。
この辺の人は、マツタケよりマイタケが大事らしい。マイタケの生える場所は、家族にも内緒って言うんだって(笑)。
それから美味しいおそばのお店やいい温泉などの地元情報も教えてもらった。
おばさまは、8月にボーダーコリーを6歳の若さでガンで亡くしてしまったそう。それで、おととい、子犬のボーバーコリーちゃんが来たばかりなんだって♪ まだ名前もつけていないんだって。今度来るときは、ボーダーちゃんに会えるといいな。

吊り橋のたもとに、鉄分の多い温泉が、ばんばん湧いていた。
ああ、いつかこの源泉、入りたいなぁ。

吊り橋を渡って、世俗に戻りましょう。
さー、クーパー、今度は山に走りに行くよ!
続く。